アルコール多飲者における肝小葉構造の歪みに関する計量的検討
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概要
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アルコール多飲者の肝生検標本のうち,アルコール性肝炎に特徴的といわれる所見に乏しくかつ線維化がほとんどない程度から一部のグ鞘間またはグ鞘・中心静脈間にbridgingの形成をみる程度までの組織像を有する例において,グ鞘域の分布の偏りが対照とした非アルコール多飲群のそれよりも大きいことを見出した.このグ鞘域の分布の偏りはある種の小葉構造の歪みを表わすと考えられるがこの歪みの程度の数量的表現を試みた.これによりアルコール群(46標本)では線維化が同程度の非アルコール群(33標本)に比し小葉の歪み度が有意に大きいことが分り(P<0.001),アルコール多飲者の肝組織像の一つの特徴と考えられた.又組織の線維化の程度の数量化も試み歪み度との関連を検討したが,アルコール群では歪み度と線維化度の間に有意の相関を認め(p<0.01),非アルコール群では相関を認めなかった.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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