B型肝炎における肝細胞壊死 : 特に細胞性免疫反応による肝細胞壊死の形態学的表現
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概要
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B型肝炎の発生及び進展の機序に関しては,B型肝炎ウイルス自体の細胞傷害性はあまり強くなく,HBs抗原に対する液性抗体及び細胞性免疫反応が重要であろうと考えられている.液性抗体の作用に関してはいくつかの直接の証拠があるが,HBs抗原な持った肝細胞に対するT細胞の反応などに関しては直接の証拠にとぼしい.<BR>色素によるHBs抗原の染色法が開発された時,これでHBs抗原を持った肝細胞とT細胞,マクロファージとの関係が明らかになると期待された.然し染色法の感度の問題なども関係しているのか,HBs抗原を持った肝細胞にT細胞と思われるリンパ球が反応し,その細胞な破壊してゆく像はそう常には見出し得なかった.然しT細胞の機能が適度に低下して,かなりのHBs抗原の産生をゆるし,又T細胞もこれに反応する若干の機能があるという状態なら,HBs抗原を持つた肝細胞に対してT-cell in actionという像が必ずや多数見られる筈であると考えた.事実asy-mptomatic carrierの若干の症例において,HBs抗原を持った肝細胞にリンパ球とマクロファージが反応し,その細胞をこわして行くかに見える所見が多数認められたのである.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
-
賀古 真
東京大学第一内科
-
鳥居 正男
東京大学第一内科
-
鈴木 宏
東京大学第一内科
-
志方 俊夫
東京大学医学部病理
-
柄沢 勉
東京大学医学部病理
-
鵜沢 輝子
東京大学医学部病理
-
鳥居 正男
東京大学第1内科
-
鵜沢 輝子
東京大学医学部 病理学教室
-
鈴木 宏
東京大学第1内科
-
志方 俊夫
東京大学医学部 病理学教室
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