パパインの限外濾過特性に及ほす共存硫酸アンモニウムの影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
タンパク質の塩溶, 塩析は共存する塩濃度により水溶液中のタンパク質の状態が変化することによる.これらの現象は塩を含む水溶液中のタンパク質の限外濾過においても現われる.撹伴槽型限外濾過器において硫酸アンモニウムが共存するパパイン水溶液の限外濾過実験を行った.液本体におけるパパイン濃度が溶解度より低く, 共存硫酸アンモニウム濃度による粘度の変化が小さくても, 限外濾過特性は変化した.塩析領域において, 同じパパイン濃度でも, 硫酸アンモニウム濃度の上昇とともにゲル層の透過抵抗は高くなった.塩溶領域では物質移動係数は大きく, ゲル層表面濃度は溶解度に近かったが, 塩析領域では物質移動係数は小さく, ゲル層表面濃度は溶解度より高かった.これらの結果から, 塩溶領域ではパパインが分子状で存在するが, それ以外では凝集していることが推察できた.
著者
関連論文
- パパインの限外濾過特性に及ほす共存硫酸アンモニウムの影響
- 単純コアセルベーション中での酵素法によるセルロースの加水分解反応
- 通気による撹拌下でのカリ明礬の晶析
- 撹拌による針 (棒) 状硫酸カルシウム結晶のマクロアトリッション