多孔質ガラスにおけるベンゼンと<I>n</I>-ヘキサン, シクロヘキサン, メタノールおよびアセトンとの二成分系混合気体の表面拡散

概要

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多孔質ガラスにおける表面拡散を利用する気相混合物分離を念頭におき, ベンゼンに対して様々な相互作用を持つと考えられる<I>n</I>-ヘキサン, シクロヘキサン, メタノールおよびアセトンをベンゼンの同伴成分とする4種類の二成分系混合物について, 308Kにおける透過実験および吸着平衡測定を行い, 表面拡散係数を算出した.全ての場合について透過は大部分表面拡散によるものであることが確認されたが, 混合系透過流束は系によって異なる同伴成分分圧依存性が観察された.一方, 単成分系の吸着平衡はBET式で, 二成分系の吸着平衡は二成分BET式により表現できた.また, 透過実験との比較から表面拡散による分離能に対して吸着平衡関係が大きな影響を及ぼすことがわかった.表面拡散係数はその成分だけでなく同伴成分の吸着量にも依存したが, 後者の依存性は系によって異なる傾向を示した.このような依存性は低吸着量域ではホッピングモデルに基づく整理式で表現でき, ホッピングの活性化エネルギーの分子間相互作用による変化と関連付けられることがわかった.
社団法人化学工学会の論文