塩析法による酵素タンパク質 (サーモライシン) の核化現象

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概要

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タンパク質の分離・精製法の1手段である塩析法における結晶析出現象を解明するため, その初期過程である核化現象を, タンパク質として酵素 (サーモライシン) を, 塩析剤として硫安を用いて, 303K, pH8.0, 撹拌速度600min<SUP>-1</SUP>で, 定量的に検討した.核 (微結晶子) 発生の検出には光透過法を, また操作法として溶液のイオン強度<I>Γ</I>を一定速度<I>b</I>で増大する方法を用い, 動的解析法で核化因子を求めた.<BR>最大許容過イオン強度, すなわち準安定域幅<I>ΔΓ<SUB>m</SUB></I>と<I>b</I>との間に半経験的理論式が成立した.この結果より, <I>Γ<SUB>m</SUB></I>=6〜7のとき表面エネルギーとして0.22erg・cm<SUP>-2</SUP>, さらに飽和度2.7のとき臨界核の半径・構成分子数・生成自由エネルギー変化として4.5nm・8.9・11.2kJ/g-mol-nucleiを得た.また, 硫安の塩析係数として1.11を得た.
社団法人化学工学会の論文

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