水酸化ナトリウム水溶液中へのヨウ素蒸気の吸収機構および速度
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概要
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I<SUB>2</SUB>蒸気のNaOH水溶液中への吸収速度を流通式定界面積型攪拌槽を用いて測定した.実測した吸収速度は, 次の三つの反応, (a) I<SUB>2</SUB>+ OH<SUP>-</SUP>〓HIO+ I<SUP>-</SUP>, (b) 3HIO→ IO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP> +2I<SUP>-</SUP>+ 3H<SUP>+</SUP>, (c) I<SUB>2</SUB>+ I<SUP>-</SUP>〓 I<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>がNaOHとH<SUB>2</SUB>Oの解離反応を伴って進行する反応吸収として説明できた.上述の諸反応中, 反応 (b) を除く反応は瞬間可逆反応としての取り扱いができるが, 反応 (b) の速度は遅く液本体でのみ進行すると近似できる.したがって, 吸収速度に対するIO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>生成反応の影響は液滞留時間の増大にともない次第に顕著となる.しかし, 吸収液のNaOH濃度とヨウ素蒸気濃度条件によって, IO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>生成反応の進行が反応係数を増加する場合と減少する場合がある.反応係数の低減は反応 (b) により生成するH<SUP>+</SUP>により液相反応成分であるOH<SUP>-</SUP>濃度が著しく減少するために反応 (a) が抑制される時に起こる.
著者
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小原 進
東洋エンジニアリング(株)プロセス設計部
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三宅 義和
京都工芸繊維大学工芸学部物質工学科
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江口 彌
京都大学原子エネルギー研究所
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足立 基齋
京都大学原子エネルギー研究所
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小原 進
東洋エンジニアリング
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小原 進
東洋エンジニアリング (株)
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三宅 義和
京都工芸繊維大学
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