高温水中でのγ-FeOOHの脱水反応と水酸化ニッケルとの複合化反応
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
発電所の復水に不純物として含まれるγ-FeOOH粒子の脱水反応と, 高温水中での水酸化ニッケルとの複合化反応によるNiFe<SUB>2</SUB>O<SUB>4</SUB>の生成挙動を実験により検討した.水酸化ニッケルを付着させたγ-FeOOHを加熱すると, γ-FeOOHの脱水反応によるα-Fe<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>の生成と同時にNiFe<SUB>2</SUB>O<SUB>4</SUB>が生成される.γ-FeOOHの脱水反応はAvramiの速度式に従う.活性化エネルギーは, 水中での反応の値が窒素雰囲気中の反応より約15%小さい.NiFe<SUB>2</SUB>O<SUB>4</SUB>生成後では粒子径が反応前より増大し, 反応時間の経過とともに粒子の比表面積が減少する.γ-FeOOHと水酸化ニッケルの反応に水中の溶存酸素濃度は影響しない.pHが5より低い場合, 粒子の溶解が促進されるとともに生成粒子中のNiFe<SUB>2</SUB>O<SUB>4</SUB>の含有率が高くなる。生成粒子中のNiFe<SUB>2</SUB>O<SUB>4</SUB>の含有率の経時変化を, γ-FeOOHの脱水反応速度式 (Avramiの式) にNiイオンの粒子中への浸透率を乗じた式に基づき, 検討した.
- 社団法人 化学工学会の論文
著者
関連論文
- 多段フラッシュ蒸発式海水淡水化プラントにおける鉄酸化物スラッジの挙動
- 多段フラッシュ蒸発式海水淡水化プラントにおける循環ブライン中の炭酸物質の挙動
- カソ-ド分極法と超音波振動による放射性酸化物付着ステンレス材の除染効果
- 多段フラッシュ蒸発式海水淡水化装置における鉄スラッジの生成機構
- 高温水中での水酸化鉄粒子からのニッケルフェライト生成速度
- 高温水中での鉄の水酸化物および酸化物粒子とニッケルの複合化挙動 : 鉄の化学形態の影響と鉄水酸化物の脱水反応速度
- 多段フラッシュ蒸発式海水淡水化装置におけるpHコントロール法によるスケール防止
- 多段フラッシュ蒸発式海水淡水化装置におけるアルカリスケールの生成
- 黒鉛陽極によるジチオン酸ナトリウム溶液の電解酸化
- 直接接触型膜蒸留法の熱・物質移動特性
- 粉状イオン交換樹脂プリコートフィルタにおける樹脂フロックの分散特性
- 粉状イオン交換樹脂プリコートフィルタにおけるアニオン, カチオン交換樹脂のフロック形成特性
- 高温水中でのγ-FeOOHの脱水反応と水酸化ニッケルとの複合化反応
- 高温水中における鉄の酸化物および水酸化物の生成
- EDTA液中における鉄酸化物界面の交流インピ-ダンス特性
- Fe3O4のカソ-ド分極溶解に及ぼす温度,溶存酸素の影響
- EDTA液中におけるFe3O4のカソ-ド分極溶解
- 炭素鋼付着鉄酸化物のカソ-ド分極溶解
- 膜蒸留法における揮発性および不揮発性成分の透過特性
- スルホン酸型およびカルボン酸型カチオン交換樹脂の微粒子除去特性の比較