フェニトロチオンマイクロカプセルの水中における光分解
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概要
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フェニトロチオン,フェニトロチオンマイクロカプセルおよびクロルデンの緩衝液(pH 5,7,9)および海水中における太陽光による光分解について各<SUP>14</SUP>C標識体を用いて検討した。光分解半減期はいずれの水中においてもフェニトロチオンで1.1〜2.6日,フェニトロチオンマイクロカプセルで3.7〜5.1日であり,マイクロカプセル化することによりフェニトロチオンの光分解速度は1.9〜4.4倍遅くなった。一方,クロルデンは光分解を受けにくく,太陽光曝露14日後に添加<SUP>14</SUP>Cの78%以上が未変化のクロルデンとして回収された。マイクロカプセルの走査型電子顕微鏡および透過型微分干渉顕微鏡による形態観察,さらにはカプセル膜内および膜外の光分解物の分離・分析より,フェニトロチオンは水中においてカプセル膜内で光分解を受けるだけでなく,太陽光により膜が劣化して破壊し,周囲の水中へ溶出した後も光分解を受けることが明らかとなった。フェニトロチオンマイクロカプセルはフェニトロチオンと同様に水中で太陽光により,P=SからP=Oへの酸化,アリールメチル基のカルボキシル基への酸化,ニトロ基からアミノ基への還元,カルボキシル基とアミノ基のカップリング反応,異性化,P-O-アリールおよびP-O-メチル結合の開裂,ニトロ基の水酸基による置換,あるいはこれらの組み合わせにより分解し,生成した分解物はさらに<SUP>14</SUP>CO<SUB>2</SUB>まで分解した。
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