クロレラによる光水素発生の持続時間に対する無機塩類の影響
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概要
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微細藻<I>Chlorella</I>による光水素発生において, 酸素吸収剤であるハイドロサルファイトナトリウムに加え, 無機塩類を添加し, 光水素発生の持続時間に対する影響を検討した.<BR>Na<SUB>2</SUB>S<SUB>2</SUB>O<SUB>4</SUB>に加えて亜硫酸ナトリウムを添加した場合, 藻懸濁液がアルカリ性となることでNa<SUB>2</SUB>S<SUB>2</SUB>O<SUB>4</SUB>の分解が防止されて長時間作用することにより, 水素発生量は無添加の場合に比べて2倍に増加した.ピロリン酸ナトリウムを添加した場合, 光水素発生持続時間は無添加の場合に比べて6-8倍, 水素発生量は約5倍と大幅に増加した.この場合も藻懸濁液がアルカリ性となって, Na<SUB>2</SUB>S<SUB>2</SUB>O<SUB>4</SUB>が分解せず長時間作用したことによると考えられる.またピロリン酸塩が光合成電子伝達系を安定化させること, 或いはフェレドキシン-NaDP<SUP>+</SUP>レダクターゼを阻害して, 電子が光水素発生経路に流れる割合を増加させること, などの可能性が考えられ, このことを蛍光誘導曲線の測定により検討した.
- 社団法人 化学工学会の論文