炭酸ガスの接触水素化に関する基礎研究
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概要
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CO<SUB>2</SUB>による大気温暖化問題に関連して, CO<SUB>2</SUB>とH<SUB>2</SUB>を触媒上で反応させCH<SUB>4</SUB>などの有効物質に変換する接触水素化法について検討した.本研究ではアルミナ担持第田族金属 (Rh, Pd, Pt, Ni) 触媒を試作し, (1) 活性評価, (2) 透過型電子顕微鏡による触媒観察, (3) 吸着水素およびCOの昇温脱離測定, (4) 反応機構等の検討を行った.その結果, Rh触媒は大気圧下, 比較的低い反応温度 (300℃) においてCO<SUB>2</SUB>転換率は80%以上, CH4への選択率は90%以上と高い活性を示した.また, Rh触媒のCH<SUB>4</SUB>への選択性は広い範囲で空間速度などの反応条件の影響を受けにくいこと, またCH<SUB>4</SUB>生成機構はCOを経由する逐次反応であることがわかった.さらに, Rh触媒はRh (III) 面が露出した粒径2〜7nmの超微粒子担持触媒であること, また触媒の高活性化にはRhの分散およびH<SUB>2</SUB>とCOの触媒表面での吸着状態が重要であることが示唆された.更に, メタンの有用性とメタン化プロセスのエネルギー収支についても検討した.
- 社団法人 化学工学会の論文