看護師の離職意向に関連する要因の検討―緩和ケア病棟における調査結果をもとに
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概要
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看護師の離職意向の要因を探索するために,組織風土, 健康状態, および今までの働き方を見直す契機として取り組みの推進が提唱されているワークライフバランスに着目し, 離職意向との関連を検討することを目的とした. 2010年3月〜4月に, A県7施設の緩和ケア病棟の看護職者105名を対象に, 無記名の自記式質問紙による横断調査を実施し, 回答のあった83名(79.0%)を分析対象とした. 離職意向尺度を従属変数とする重回帰分析の結果, 看護師の離職意向には組織風土の伝統性因子, WLB-JUKU INDEX個人調査票の仕事と生活の評価, 身体疲労度が有意に関連していた. 本結果より, 自律性に乏しい組織風土, 身体的疲労の高まり, 仕事と仕事以外の生活のバランスに対する評価の改善が, 看護師の離職意向の軽減に有効であることが示唆された. Palliat Care Res 2011; 6(1): 126-132