ネフローゼ症候群を発症し, 治療によりQOLが著明に改善した終末期子宮体がんの1例
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概要
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がん患者の浮腫には, 悪液質や低タンパク血症, リンパ浮腫などがあるが, 腫瘍に起因するネフローゼ症候群(NS)がその原因となることもある. これら浮腫はQOLを低下させるだけでなく, 的確に診断・治療しなければ死期を早めてしまう危険もある. 前医にて子宮体がん再発によるリンパ浮腫と診断され, 当院にてNSの治療によりQOLが著明に改善した1例を経験したので報告する. 65歳, 女性, 子宮体がん再発, 肺・脳転移. 在宅療養中, 状態の悪化にて緊急入院. 両下肢に著明な浮腫を認め, 検査成績でTP 5.0 g/dl, ALB 1.3 g/dl, T-Chol 369 mg/dl, タンパク尿(3+)にてNSの診断基準を満たした. ALB製剤の静脈投与にて, 循環動態を安定させ, ステロイド・免疫抑制剤を投与した結果, 全身状態, 浮腫も改善. その後はNSの軽快・増悪を繰り返し, 腫瘍が進展し入院81日目に播種性血管内凝固, 多臓器不全をきたし死亡. 悪性腫瘍が起因となるNSはまれではない. しかし, 肺がんや消化器系がんが多く, 子宮体がんはまれである. 悪性腫瘍の終末期の浮腫の原因としてNSも念頭に入れて治療を行う必要がある. Palliat Care Res 2011; 6(1): 316-323
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