低タンパク質食のクロマチン非ヒストンタンパク質に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
低タンパク質食が肝臓細胞に与える影響を4週齢の雄ラットを用いて調べた。低タンパク質食群は3%カゼイン含有, コントロール食群は25%カゼイン含有の餌を用いて10日間の飼育を行った。<BR>肝臓のDNA, RNA, タンパク質定量の結果, 肝臓1グラム当たりのDNA量は低タンパク質食により減少を示した。RNA量は変動がみられなかったが, DNA当たりの核RNA量は有意に増加した。核タンパク質量は1.4倍もの増加を示した。核タンパク質のクロマチンタンパク質を尿素およびヒドロキシルアパタイトを用いてヒストンタンパク質, 非ヒストンタンパク質 (NHP) に分画し, NHPについては尿素可溶性NHPとDNA結合性NHPにさらに分画を行った。その結果, 核タンパク質にみられた増加は尿素可溶性NHPの増加によるものであった。<BR>細胞質タンパク質, 尿素可溶性NHPおよびDNA結合性NHPについて2次元電気泳動を行った結果, 低タンパク質食群において細胞質タンパク質は, 分子量30,000, 等電点6.8, および分子量20,000, 等電点7.0のタンパク質に減少がみられた。尿素可溶性NHPは分子量約30,000, 等電点7.0付近の3種のタンパク質に減少がみられた。DNA結合性NHPタンパク質電気泳動パターンには, 変化が見られなかった。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
著者
関連論文
- 減量指導約30年後の女性においてアディポネクチンg276t遺伝子多型のg/g型はt/t型に比べて有意にBMI増加があり、ウエスト周囲径が高い
- 新しい栄養学を目ざして--分子生物学によるアプロ-チ (女子栄養大学創立50周年記念号)
- 肥満に対する無投薬の食事・運動療法の長期効果と肥満関連遺伝子多型の意義
- ミネラルの吸収・利用に対する摂取タイミングの影響 : II.カルビンディン D9k の発現について
- P-14 マウス個体におけるNNK誘発突然変異と低線量率放射線照射の影響(ポスター(1))
- ラット小腸におけるカルビンデイン-D9kの発現について
- 非アイソトープ法による遺伝子発現解析の学生実験への導入
- 非ヒストンタンパク質と転写調節 (クロマチン)
- プロバイオティクス, プレバイオティクスそして免疫
- ラット小腸ラクタ-ゼ精製法の検討
- 低タンパク質食のクロマチン非ヒストンタンパク質に及ぼす影響
- 離乳期における乳糖加水分解酵素の変動
- 食餌タンパク質がラット肝・核の転写活性に及ぼす影響
- 成人型乳糖不耐症とラクターゼ遺伝子の転写調節
- 女子栄養大学の発展とともに40年