スピルリナ<I> (Spirulina maxima</I>) の細胞壁多糖の化学的性質
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概要
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おもに市販の<I>S. maxima</I>の乾燥藻体より調製した脱脂細胞壁について分画を行い, 多糖の化学的性質について検討した。<BR>1) 脱脂細胞壁をActinase消化した後, 得られた水, 熱水, 冷アルカリ抽出性多糖はいずれもラムノースを主な構成糖とし, 他にマンノース, ガラクトース, グルコース等を含んでいた。また, 最初の2画分にはグルクロン酸も存在していた。これらの多糖はα- (1→3) 結合をした枝分かれ構造のラムナンを主体とする酸性ヘテロ多糖で, また, (1→4) 結合のガラクトース残基と, (1→3), (1→4) 結合のマンノースやグルコース残基も存在し, これらの糖残基の一部には, 分岐点も存在する。DEAE-Sephacelカラムで分画した結果より, これらの多糖画分はいずれも酸性多糖を含む2種以上のヘテロ多糖よりなる可能性が大きい。<BR>2) 脱脂した粗細胞壁画分より得られた水溶性多糖はおもにグリコーゲン様多糖を含んでいた。メチル化分析, スミス分解, ヨード反応等の化学的方法や酵素分解により, このグリコーゲン様多糖は, 分子量約250万, 平均鎖長CL9であり, DP3ないし4の短い枝を多くもつ, 非常に分岐度の高い構造をとることがわかった。<BR>3) 熱アルカリ抽出残渣に9.3%含まれるアミノ糖は, PPCおよびGLC分析の結果, グルコサミンとムラミン酸であることがわかり, ペプチドグリカンの存在が示唆された。
著者
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