悪性セルトリ細胞腫の一例
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概要
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悪性セルトリ細胞腫は稀な疾患であり, 今までに少数例の報告しかない. 我々は, 悪性セルトリ細胞腫の癌死例の1例を経験したので, 報告する. 症例は38歳男性. 左精巣腫脹を主訴に前医を受診した. 左精巣腫瘍に高位精巣摘除術を施行し, 病理組織は Seminoma 疑いであった. 腫瘍マーカー (LDH, HCG, AFP) は全て陰性であり, 画像所見と合わせて stage 1 (pT1N0M0S0) であった. 経過観察を選択され, 1年後に, CTにて後腹膜小リンパ節腫大を指摘された. さらに4ヵ月後, リンパ節は55×45×70mmに腫大していた. 後腹膜再発としてBEP (ブレオマイシン, エトポシド, シスプラチン) 療法3クール施行するもリンパ節の大きさに変化を認めず, CTガイド下針生検を施行した. 病理組織診断は embryonal carcinoma. viable であった. 高位精巣摘除術時の標本も再検討の結果, 同組織であった. そして, 当院を紹介受診した. 救済化学療法として, CPT-11, ネダプラチン療法を施行したが, リンパ節の大きさに変化は認めなかった. 3クール終了後に, 後腹膜リンパ節郭清術 (RPLND) を行った. 摘出リンパ節は悪性セルトリ細胞腫, viable であった. 術後30日で多発肝転移が出現し, 救済化学療法を追加するも高位精巣摘除術後27ヵ月で癌死した. 全経過中, LDH, HCG, AFPが一度も異常値をとることはなかった.
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