頭頸部がん専門医制度の将来展望
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概要
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頭頸部がん専門医制度も2年目を迎え,第1回の試験では151名の頭頸部がん専門医が生まれた。新卒後臨床研修制度発足以来,外科系志望者の減少が著しく,日本耳鼻咽喉科学会への入会者数も約3分の2に減少している。頭頸部外科医の志望者は更に減少するものと危惧していたが,頭頸部がん専門医制度の発足に歩調を合せるかのように,日本頭頸部外科学会の会員数はここ数年で約450名の増加がみられた。本制度が若い耳鼻咽喉科医の心を掴んだものと信じたい。教育カリキュラムや教育セミナーを充実させ,彼らの期待に応え,質の高い頭頸部がん専門医を育てていくことがこれからのわれわれの責務である。指定研修施設に目を移すと,頭頸部がん年間頭頸部がん新患数100例以上とハードルを非常に高くしたにも関わらず,平成22年度末の時点で131施設がこの条件をクリアした。3年前に行ったアンケート調査では年間新患数100例を超えていた施設は全国で僅か64施設であり,本制度の発足が症例の集約化を誘導したことになる。このような施設の集約化が,医療の質の向上,労働環境の改善,研修の効率化を生み出し,大学・施設横断的な頭頸部外科医育成システムの構築へとつながっていくものと期待される。
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