悪性リンパ腫にたいするrIL-2とSPGの併用免疫療法 : EL-4 lymphoma担癌マウスにおける基礎的研究
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概要
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C57BL/6マウスの腹腔内にEL-4 lymphomaを移植し,rIL-2の皮下投与,SPGの筋肉内投与および両者の併用を行った.これらのBRMが,腹腔内に抗腫瘍エフェクター細胞を誘導し,その腫瘍細胞傷害活性を増強するかどうかを,腹腔内に滲出した細胞を用いて解析した.1) Giemsa染色標本において,対照群,SPG投与群,rIL-2投与群,rIL-2とSPGの併用群の順に腫瘍細胞が減少し,リンパ球が増加した.2) Flow cytometryによる細胞表面マーカーの解析の結果,rIL-2とSPGを併用投与することにより,EL-4移植後5日目ではサプレッサー/キラーT細胞やNK細胞,単球•マクロファージを含む抗腫瘍エフェクター細胞が対照群,SPG投与群,rIL-2投与群に比べて著増すること,EL-9移植後10日目になると,NK細胞や単球•マクロファージなどの抗腫瘍エフェクター細胞は全体に5日目よりも増多し,とくにrIL-2とSPGの併用群における抗腫瘍エフェクター細胞の増加が顕著であるが,サプレッサー/キラーT細胞はすべての群でほとんど消失し,代わってヘルパー/インデューサーT細胞が著明に増加することがわかった.これら抗腫瘍エフェクター細胞の増加は,SPG<rIL-2<rIL-2+SPGの順でみられた.3) 自己腫瘍細胞傷害活性およびNK活性は,対照群,SPG投与群,rIL-2投与群,rIL-2とSPGの併用群の順に増強した.4) negative selection法の結果,自己腫瘍細胞傷害活性を示す細胞は,キラーT細胞やNK細胞,単球•マクロファージであり,とくにSPGを投与した群においては単球•マクロファージ系の細胞が主体と考えられた.EL-4移植後10日目ではNK細胞や単球•マクロファージが細胞傷害活性の主体と思われたが,rIL-2投与群,rIL-2とSPGの併用群ではL3T4+(ヒトCD4+)TILがわずかながら細胞傷害活性に寄与することが考えられた.したがって,SPGとrIL-2の投与は腫瘍局所である腹腔内のTリンパ球,NK細胞,マクロファージなどの免疫担当細胞を賦活化し,抗腫瘍効果を発揮することにより,腫瘍細胞を減少させることが示された.
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