地下無重力落下実験施設を利用した平衡系実験 : 一側前庭神経切断カエルの反応
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概要
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今回我々は,北海道上砂川町にある地下無重力実験センター(Japan Microgravity Center: JAMIC)を利用する機会を得たので,これが身体平衡系の研究における新しい実験手段として有用であるかを検討する目的で,平衡系実験セット(姿勢•行動観察用及び筋電図記録用)を作製し,カエルを用いた予備実験を行った.1) 姿勢•行動観察では,無処置群において頭部が背屈し,四肢が伸展するという特徴的な姿勢が観察できた.また前庭神経切断群では,落下前の姿勢変化はそのまま持続し,障害側を下にする回転運動が見られた.2) 筋電図では,落下直後に前庭脊髄反射のためと考えられる筋活動の亢進を認めた.また前庭神経切断例では,術側の潜時が,やや遅延した.3) カエルは,落下実験施設を利用した平衡系実験の実験動物として適当である.4) 微小重力暴露時の身体平衡系の研究において,落下実験施設は非常に有用な実験手段である.
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