電気性眼振に関する実験的研究
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概要
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目的: 電気性眼振は半規管系の反応と考えられているが, その本態に関しては定説がない. 著者らは電流の作用する部位について動物実験より検討しようと考えた.実験法: 実験動物としてモルモツトを用い, 前庭神経上枝からの単一神経の活動電位を測定し, 通電中の変化を検討した. 同時に回転刺激を加え, 半規管系のレスポンスか否かを調べた.結果: インパルスの変化からレスポンスは2群に分けられた. 1つは十極刺激で増加し一極刺激で減少するもの, もう1つは十極で減少し, 一極刺激で増加するものであつた. しかし半規管系のレスポンスは前者のみであつた. 極性興奮の法則に従わないものが関連していることになる. すなわち細胞膜を持たないクプラ, 内リンパが有力であつた. さらに回転刺激では両方向回転で, インパルスが増加することから, 内リンパ流動説も否定された. 末梢における電流の作用部位としてクプラが考えられた.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
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