唾液腺腫瘍の核 DNA 量分析およびMRI画像
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概要
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唾液腺腫瘍32例において MRI およびflow cytometry (FCM)を用いた核DNA量,細胞周期の分析を行い,病理組織型との相関を検討した。MRIで浸潤所見あるいは境界不明瞭所見を認めた場合悪牲腫瘍と診断し,上記所見を認めずT2強調画像で高信号を示すものを多形腺腫と診断し,T2強調画像で低信号あるいは等信号を示し嚢胞成分を有するものをワルチン腫瘍と診断すると,悪性腫瘍の100%.ワルチン腫瘍の56%,多形腺腫の57%で MRI 所見と病理組織型が一致した.ワルチン腫瘍の33%,多形腺腫の29%は上記分類では病理組織型判定が不可能であり,ワルチン腫瘍の11%は悪性腫瘍と誤判定され,多形腺腫のうちそれぞれ7%ずつは悪性腫瘍およびワルチン腫瘍と誤判定された.FCM の結果,S期および G2•M 期細胞の割合の合計が10%より多い場合悪性腫瘍と診断し,これらが10%以下でKi-67陽性率が20%より多い場合多形腺腫と診断し,Ki-67陽性率が20%以下の場合ワルチン腫瘍と診断すると,悪性腫瘍の67%,多形腺腫の100%,ワルチン腫瘍の78%,で FCM の結果と病理組織診断が一致した.MRI にて病理組織型判定不能となった多形線腫およびワルチン腫瘍を FCM による診断方法によって分類すると全例が正しく病理組織診断され,両者を併用すると最終的に悪性腫瘍の100%,多形腺腫の86%,ワルチン腫瘍の89%で病理組織診断が可能であった.以上の結果より,唾液腺腫瘍術前画像検査として MRI を行い,T2強調画像で高信号を示さない多形腺腫や嚢胞成分を持たないワルチン腫瘍など非典型的症例において,細胞診材料の FCM による分析を追加することによって正確な術前病理組織診断が可能となることが示唆きれた.
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