III.裂肛の薬物療法
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概要
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肛門括約筋のスパズムと肛門上皮の虚血が裂肛の成因に関与すると考えられるようになった1990年代以来,括約筋弛緩作用薬を用いた裂肛の薬物療法が多数報告されている.平滑筋への薬理作用として非アドレナリン非コリン性神経の伝達物質である一酸化窒素や細胞質内カルシウムレベルを低下させるカルシウム拮抗薬は平滑筋の弛緩作用を有する.一酸化窒素供与体であるニトログリセリンの局所投与は肛門管静止圧を低下させ治癒率63〜92%と高い有効性を示すが,副作用として頭痛が高頻度に出現する.カルシウム拮抗薬の局所投与もニトログリセリンと同程度の治癒率を示し頭痛の副作用はほとんど出現しない.シナプス前神経終末からのアセチルコリンの放出抑制により神経伝達を阻害し筋弛緩作用を示すあるボツリヌス菌毒素の局所注射は治癒率53%〜96%を示し,副作用としては一過性のminor incontinenceが報告されている.しかしこれらの薬物療法が側方内肛門括約筋切開の有効性を上回るというエビデンスはない.
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