偽膜性大腸炎の臨床
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概要
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抗生物質の投与が原因である偽膜性大腸炎について, 古くから注目されてきたが, 最近, 偽膜を形成しない出血性大腸炎も注目されてきている.これらの抗生物質起因性大腸炎の病因, 病態を追求するにあたって, 自験例65例の臨床像の解析を行った.その結果, 偽膜性大腸炎は高齢者に好発し, lincomycin系抗生物質が起因することが多く, 腹部鈍痛, 下痢, 腹満, 残便感を訴え緩徐に発症し, 病変範囲は全大腸におよぶことが多かった.出血性大腸炎はあらゆる年齢層に発症し, 女性に好発し, 合成penicillinによっておこることが多く, 突然に腹部疝痛, 下痢, 下血, 裏急後重を訴えることが多く, 横行結腸を中心にビランを形成した.両疾患の病態に著しい相違点がみとめられた.<BR>偽膜性大腸炎の発生機序の一面をさぐる目的で, 水素ガスクリアランス法を用いて本症患者の直腸粘膜血流量を測定したところ, 活動期には血流は著しく低下していた.粘膜血流の低下が本症の原因であるのか, 結果であるのか断定はできないが, 偽膜性大腸炎は血流の低下した高齢者に多いこと, 古典的にも抗生物質の投与がなくて手術後に本症の発生がみられたとする報告もあることより, 潜在的ないし一時的な粘膜血流の低下が一因となって, Clostridium difficile等の細菌毒素と共に偽膜形成が起ることが推定された.
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