縦隔の最終リンパ節の解剖学的検討-N2肺癌手術症例の予後との関連について-
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概要
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1979年から1992年にかけて当院にて施行されたN2右肺癌相対的治癒切除症例49例を縦隔リンパ節転移部位により次のように分類し予後を検討した.高レベルN2群 (H群) : #1〜#3のいずれかに転移を認める群.低レベル群N2 (L群) : #1〜#3まで転移が及んでいない群.5生率はH群27%, L群64%でH群の予後が有意に悪かった.H1群 (#2または#3のみに転移を認めるH群) の5生率は19%で, #2または#3のみの転移であっても低い生存率を示した.また, 7例の解剖実習用死体を用いて精密な肉眼解剖を行い, 静脈角あるいは頚部のリンパ節と直接連絡をもつリンパ節を縦隔の最終リンパ節として観察を行った.最終リンパ節としては#1 (7例全例), #3 (6例), #6 (4例) が重要で, 右肺癌においては気管下部の#3からも直接頚部にリンパ管が連絡していることが, H群の予後を悪くしている原因と考えられた.
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