モルヒネ反復投与によるマウス自発運動促進効果に対する逆耐性の形成とその特徴
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
dd系成熟雄マウスにmorphine(MOR)5,10および20mg/kgを1日,3〜4日あるいは7日間隔で10回反復皮下投与し,そのつど180分間にわたり自発運動活性を測定し,効果の変遷について検討した.MOR初回投与時にはマウスの自発運動活性は用量依存的に促進し,その効果は投与60〜90分後をピークとし,約180分間持続した.MORの反復投与によってこの自発運動促進効果は,5mg/kg投与群では明瞭でなかったが,10および20mg/kg投与群では投与回数に比例して増強され,いわゆる逆耐性が認められた.すなわち,いずれの投与間隔であっても,3〜4回目までは進行性の効果増強がみられ,投与間隔が長い方が作用持続時間の延長が著明な傾向が認められた.また,5〜6回目以降の投与時にみられる自発運動促進効果の増強は頭打ちとなり,逆耐性が維持されるにとどまった.10回に及ぶMOR反復投与の後2か月間休薬し,同量のMORを投与した場合,10回目に比較すると明らかに自発運動促進効果は減弱したが,なお初回時の効果に比し増強が認められた.さらに,MOR投与後180分間移動空間の狭い広口ビンの申にマウスを閉じ込める操作を,1日,3〜4日および7日それぞれの間隔で5回反復投与し,6回目に初めて測定容器に入れ自発運動活性を測定すると,運動促進効果はMOR初回投与時あるいは生理的食塩水を反復投与し,そのつど同様に運動阻害操作を施したマウスでみられた効果とほとんど同程度であり,逆耐性は全く観察されなかった.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
関連論文
- 簡便なマウス自発運動測定方法
- モルヒネ反復投与によるマウス自発運動促進効果に対する逆耐性の形成とその特徴
- Methamphetamine, d-Amphetamine あるいはMorphine投与時のマウス自発運動促進効果の個体差
- タイトル無し