スーパーで働く既婚女性パートタイマー-「私の人生」を生きる-
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概要
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本稿は,スーパーに勤務する女性パートタイマーに対して面接調査を行ったものである。分析の際,就業時間と役職の有無に基づきパートタイマーを「一般職パートタイマー(短時間)」「一般職パートタイマー(長時間)」「管理職パートタイマー」という3つに分類し,それぞれの仕事への関与状況を分析した。その結果,明らかになったこととして,すべてのパートタイマーたちは,第一に,「仕事への動機づけ」が高く,このことは先行研究とは異なる知見であった。第二に「母親意識」が強く,家庭の中における中心概念は「夫」ではなく「子ども」であった。第三に,「管理職パートタイマー」に関しては,キャリアアップを目指す際に,3つの問題点が浮かび上がったのである。一つ目に,雇用形態という観点からは,キャリアの積み方は正社員と同様であったこと,二つ目に,既婚女性のキャリアという観点からは,正社員,パートタイマー,共通の問題として家庭の状況がキャリア形成に影響を及ぼしてくること,三つ目に,企業社会という観点からは,女性が社会の中で認められるには男性以上,つまり与えられた仕事以上にこなさなければならないということであった。すなわち,これまでは正社員の女性が企業社会の中で,キャリアを積む際の「壁」といわれていたことは,パートタイマーの女性においても同様である,という新たな知見が得られたことであった。
- 2004-06-18
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