βアドレナリン効果遮断薬の血圧作用に関する研究 ―とくにラット血圧上昇作用機序について―
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概要
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Wistar系ラットにβ遮断薬を静注した場合,持続的な血圧上昇作用が起る現象について多くの研究者が確認したが,その原因については充分解明されたとはいいがたい.そこで著者は,この機序をさらに明らかにするためにpindolol,carteolol,propranolol,alprenolol,practolol,acebutololについて,次の実験を試みた.1)麻酔ラットに各種β遮断薬(0.015〜0.3μmole/kg)を静注し,その昇圧作用を比較した.2)麻酔ラットのisoprenaline(0.1μg/kg)による降圧,およびpositive chronotropic actionに対する各種β遮断薬(0.003〜30.0μmole/kg)の抑制作用を比較した.3)モルモット摘出気管におけるisoprenaline(10<SUP>-9</SUP>〜10<SUP>-5</SUP>M)の弛緩作用の抑制を,各種β遮断薬(3×10<SUP>-7</SUP>M)について比較した.4)モルモットおよびラットの摘出心房におけるisoprenaline(10<SUP>-11</SUP>〜10<SUP>-5</SUP>M)のpositive inotropicおよびchronotropic actionの抑制を,各種β遮断薬(3×10<SUP>-7</SUP>M)について比較した.以上の実験の結果,麻酔ラットにおけるβ遮断薬の昇圧作用は,心臓に対する遮断作用よりも,モルモット摘出気管におけるisoprenalineの弛緩遮断や,ラットにおけるisoprenalineの降圧遮断に,より強い相関をしめした.このことから,β遮断薬によるラットの血圧上昇作用は,β<SUB>2</SUB>-receptor遮断に強い関連性があるものと考えられる.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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