ネコ副腎からのCatecholamine分泌に対するDiltiazemの作用
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概要
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diltiazemの副腎髄質からのcatecholamine (CA) 分泌に対する作用を, Locke液で灌流したネコ副腎標本を用いて検討した. 1) acetylcholine (10-4M) およびhigh K+ (56mM) 刺激によるCA分泌に対し, diltiazemは10-6Mでは有意な作用を示きなかったが, 10-5Mでは明かに抑制(約50%)し, 10-4Mでは極めて強く抑制(約90%)した. diltiazemのこれらの抑制作用はいずれも可逆的なものであった. 2) Ca2+-free液灌流下でCaCl2 (2.2mM) 添加によって誘起されるCA分泌をdiltiazemは10-6M以上の濃度で濃度依存的に抑制した.この抑制作用はdiltiazem除去により回復した. 3) 灌流液のNa+除去(sucroseで置換することにより灌流液の等張性を維持した)によって誘起されるCA分泌に対して, diltiazemは10-5M以上の濃度で可逆的抑制作用を示した.この抑制作用はacetylcholine, high K+およびCaCl2添加刺激実験で認められる抑制作用より弱かった. 4) acetaldehyde (3×10-3M) によって誘起されるCA分泌に対して, diltiazemは高濃度 (10-4M) に於いても抑制作用を示さなかった.以上の結果より, diltiazemは副腎髄質からの外液Ca2+依存性CA分泌に対し,その抗Ca2+作用により阻害作用を示すことが強く示唆された.
著者
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山口 勲
国辺製薬株式会社薬理研究所
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秋本 芳明
国辺製薬株式会社薬理研究所
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西山 信右
国辺製薬株式会社薬理研究所
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佐藤 匡徳
国辺製薬株式会社薬理研究所
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中島 宏通
国辺製薬株式会社薬理研究所
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清本 昭夫
国辺製薬株式会社薬理研究所