カエル心臓の機械的受容器に対する2価陽イオンの作用
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概要
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ウシガエル摘出心臓の機械的受容器を支配する迷走交感神経から求心性発射を記録した.Ca<SUP>2+</SUP> または Mg<SUP>2+</SUP>(1.1〜4.4mM)を 1.1mMCa<SUP>2+</SUP> を含む正常リンゲル液に加えると発射頻度は増加した.Ca<SUP>2+</SUP> 添加により発射が増加している時期には,拡張期で心筋の張力の上昇がみられた.リンゲル液の Ca<SUP>2+</SUP> 濃度を 1.1mM から 0.37mM に低下することにより発射頻度は減少し5〜10分間内に消失した.しかし 0.37mMCa<SUP>2+</SUP> を含む低 Ca<SUP>2+</SUP> リンゲル液に Mg<SUP>2+</SUP>(0.73mM)を加えることにより高頻度の発射が観察され,この発射は少なくとも15分間持続した.一方 Mn2+(0.22〜1.1mM)を正常リンゲル液に添加すると発射頻度は濃度依存的に減少した.Mn2+(0.22 または 0.55mM)を適用すると発射は減少したが,10〜20分間適用していると発射頻度の減少は小さくなってきた.以上の結果より Ca<SUP>2+</SUP> による発射頻度の増加は主として Ca<SUP>2+</SUP> による心筋の張力上昇と関連していることがわかる.外液中の Ca<SUP>2+</SUP> は求心性発射の発生を維持するために必要であり,Mg<SUP>2+</SUP> は発射を発生するための Ca<SUP>2+</SUP> の代りとして働くことができると考えられる.Mn2+ の抑制効果は機械的受容器の抑制の結果と思われるが,受容器は低濃度の Mn2+ に接触中15〜20分間で Mn2+ に対し非感受性となるのかもしれない.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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