砂ネズミの両側総頸動脈一時閉塞モデルにおける NB-818 の効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
新規Ca拮抗薬である NB-818 の脳虚血モデルに及ぼす影響を砂ネズミを用い検討した.砂ネズミの両側総頸動脈を20分間閉塞し血流を再開通することにより,血流再開24時間後までに全例が死亡した.この虚血モデルを用いて NB-818 を血流再開30分後に腹腔内投与したところ,その死亡率は 0.1mg/kgで65.0%(P<0.01)と著明に低下し,0.01mg/kg においても死亡率低下傾向が示された.一方,nimodipine は NB-818 と類似した延命効果を示したが,nicardipine 及び flunarizine については明らかな延命効果は得られなかった.NB-818 の虚血負荷15分前投与では 0.1mg/kgで死亡率低下傾向がみられた.発作発現頻度については NB-818 を含む全薬物投与群について対照群との間に差は認められなかった.延命効果の認められた NB-818 及び nimodipine 投与群では,死亡率の低下に伴い,神経症状指数の低下傾向が,血流再開4〜6時間後に認められた.このように,NB-818 は100%致死を誘発する重度の脳虚血モデルに対し顕著な延命効果を示し,またその効果は nimodipine と同程度であり,nicardipine 及びflunarizine よりも優れていることが示された.これらの結果は NB-818 が脳虚血による脳機能障害に対し有用であることを示唆する.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
関連論文
- ロサルタンの薬理学的特徴と臨床における有用性
- 砂ネズミの両側総頸動脈一時閉塞モデルにおける NB-818 の効果
- dl-α-Tocopherol 5-n-butyl-2-pridinecarboxylate (TF-80)の抗高血圧作用