Ca<SUP>2+</SUP>依存電位におよぼすDobutamineおよび諸種Catecholamineの作用
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概要
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16mM K<SUP>+</SUP> Tyrode Ringer中でモルモット乳頭筋に強い刺激(持続10および400msec)を与えることにより， 立ち上りの緩徐な電位が得られた．この電位は，1)刺激強度に応じて段階的に振巾を増大すること．2)活動電位を抑制する濃度のTTX(4×10<SUP>-6</SUP>M)で影響されず，Mn<SUP>2+</SUP>(3×10<SUP>-3</SUP>M)で消失することおよび，3)細胞外Ca<SUP>2+</SUP>濃度とovershootおよび立ち上り速度とはかなり直線的な関係があるなどの特徴を有することから，Ca<SUP>2+</SUP>依存電位(slow response)と結論した．外液Ca<SUP>2+</SUP>とslow responseの関係を種々の条件下で実験するとともに， あわせて両者の関係に対するdobutamine(DOB)，dopamine(DA)，norepinephrine(NE)およびisoproterenol(ISO)の作用を比較検討した．種々の濃度のCa<SUP>2+</SUP>を含む16mM K<SUP>+</SUP> Ringer中での刺激強度とslow responseの振巾との関係はそれぞれsigmoidal curveを示した．このcurveは， 細胞外Ca<SUP>2+</SUP>の増加およびNEの各濃度で左方に移動した．すなわち， 細胞外Ca<SUP>2+</SUP>を高濃度に， あるいはNEを投与することにより， 弱い刺激でもresponseが現れ， かつresponseの最大値が高くなる．このように，NEはslow responseに対してCa<SUP>2+</SUP>濃度を上げたと類似の効果を示した．このことから，NEは明らかにCa<SUP>2+</SUP>-influxの増大を惹起すると思われる．DOB，ISOおよびDAもNEと同じような作用を示した．摘出乳頭筋を16mM K<SUP>+</SUP> Ringer中に浸し400msecの外向き通電によって発生したslow responseはISO>NE>DOB>DAの順で増強された．またslow responseの振巾とそれを引き起こすに要する刺激強度の解析からDOBおよびNEは両者に同程度の変化を生ぜしめるが，ISOとDAは前者よりむしろ刺激強度の減少に寄与している可能性を示唆した．
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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