モルモット盲腸紐のcaffeine収縮
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概要
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モルモット盲腸紐の10または20mM caHdneによる等尺収縮は二つのphasic収縮(IとII)が相次いで生じ,2峰性曲線を画いたのち弱い一定の残留張力が持続した.二つの山の張力半減期はIIがIの数倍長かった.まれに1峰性曲線を示すことがあったが張力半減期は1とIIに等しい2成分を示した.ProcaineO.1〜0.5mM,DNP0.03〜0.1mM,Mn O.5〜1.0mMによりIは部分的に抑制されIIは消失することが張力半減期の検討により確認された.外液Naの減少に伴ないIは平行して減弱しIIはNa約75mMまでは増強して行き以後はNa濃度と共に減弱して行った.外液Caの減少に伴ないI,II共に減弱した.Ca=0でI,II共消失し正常Caにもどせば回復した.Caffeine投与と洗浄をくりかえして収縮を反腹きせたとき洗浄時間と共に次にくる収縮がIとII共に大となり10分間洗浄で初回と同じ収縮に達した.ただし収縮の反復が4回をこえると回復が不完全となった.この回復性と上記のCa依存性にはIとIIの問に著差がなかった.残留張力は40mM K-tonic収縮と同様のCa依存性を示した.正常,10mM caffeine,40mM K,10mM caffeine+40mM K 各条件下で<SUP>45</SUP>Ca uptakeとCa含量を測定した.Kにより<SUP>45</SUP>Ca uptakeが著明に増しCa含量は著変がなかった.CaffeineがKと共存すると<SUP>45</SUP>Ca uptakeの増加が完全に抑制されCa含量が著明に増し,Caのexchangeabilityが小となった.以上の結果から,caffeine収縮は細胞の異なった部位から遊離するCaによる二つのphasic収縮があり,つづいてCa uptakeによる残留張力がみられる.Phasic収縮のためのCaは細胞Caとしてはもっともexchangeableなfactionである.Caffeineは高濃度KによるCa influx増加を抑制してK-tonic収縮を弛緩させると共に細胞質のfree Caをimmobilizeすると推定される.
- 社団法人 日本薬理学会の論文