黒毛和種子牛のフィールド成績に基づく混合モデル中の牛群効果の検討
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概要
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混合モデル(Mixed model)中の牛群効果として,地域,地区および農家単位を比較し,わが国で1牛群単位とみなすべき集団について明らかにすることを目的に,子牛体重のフィールド成績を分析した.分析に用いたデータは1980年から1984年まで沖縄県の3セリ市場で取り引きされた5143頭の子牛体重である.分散成分の推定にはHENDERSONのNew methodを用いた.統計モデルには母数効果として集団平均,年次,季節,性および日齢に対する1次回帰係数を含み,変量効果として地域,地区,農家,種雄牛および誤差を含む.体重における地域,地区,農家,種雄牛および誤差の分散割合は,それぞれ11,1,27,10および52%であった.また,日齢体重における地域,地区,農家,種雄牛および誤差の分散割合は,それぞれ11,1,26,9および53%であった.このように地域の分散は,種雄牛の分散とほぼ等しい割合であったのに対し,地区の分散は全ての形質で1%以下であった.一方,農家の分散は10%〜27%と比較的大きな割合であった.そこで,上記のモデルにおける4変量効果の内,2〜3の変量効果だけを含む部分モデルについて比較したところ,農家と種雄牛の効果を含むモデルの誤差分散が最も少なく,また種雄牛分散も大きく推定された.以上の結果より,子牛体重フィールド記録を使う場合,1牛群単位とみなしうる牛集団は,農家単位のものが最も妥当であると考えられた.
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