ヒナの血漿コレステロール濃度に及ぼす飼料のタンパク質とダイズサポニンの影響
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概要
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ダイズタンパク質の血漿コレステロール降下作用の機構を知るために,飼料のタンパク質源,ダイズサポニンおよびタンパク質含量がニワトリヒナの血漿コレステロール濃度に及ぼす影響を検討した.7日齢の単冠白色レグホン雄ビナを用い,10日間の飼育試験を4回行なった.タンパク質源として,粗タンパク質の1.5のDL-メチオニンを補足した分離ダイズタンパク質とカゼインーアミノ酸混合物(90.9%カゼイン,5.4%L-アルギニン塩酸塩,1.7%DL-メチオニンおよび2.0%グリシン)を用いた.試験1では両タンパク質源から18%タンパク質飼料を調製し,タンパク質源と1%コレステロール添加の影響を検討した.その結果,ヒナの血漿総コレステロールはカゼインーアミノ酸混合物にコレステロールを添加した場合にのみ有意な増加を示した.この血漿コレステロールの増加は最大1%のダイズサポニンを添加しても抑制されなかった(試験2).ダイズタンパク質飼料に2%のコレステロールを添加すると,10%タンパク質飼料では18%タンパク質飼料と異なり血漿コレステロールの上昇が認められた.コレステロール無添加飼料ではタンパク質含量の影響はみられなかった(試験3).タンパク質含量の影響はカゼインーアミノ酸混合物に1%のコレステロールを添加しても認められ,とくにタンパク質含量を10%から26%に増加させると,血漿中の総コレステロールおよび高密度リポタンパク質コレステロールは1/2に減少した(試験4).以上の結果はダイズタンパク質給与でみられた血漿コレステロール降下作用にダイズサポニンあるいはタンパク質中に残存する非タンパク態部分が関与していないことを示した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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