育成豚の飼料利用性と大腸内容物および血液中の揮発性脂肪濃度に及ぼすサリノマイシンの影響
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概要
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育成豚の飼料利用性と揮発性脂肪酸(VFA)代謝に及ぼすサリノマイシン(SL)の影響を明らかにする目的で,育成豚にSL添加(60ppm)飼料を給与して飼養試験と消化試験および大腸内容物と血液中のVFA濃度を測定した.SL添加飼料区は飼料摂取量が減少して飼料要求率が6.0%改善され,粗タンパク質,粗脂肪,粗繊維および総エネルギーの消化率が高まった.SL添加飼料給与区は無添加飼料給与区より盲腸内の内容物とVFAが多量に存在し,消化管内容物重あたりのVFA量は大腸の下部になるほど著しく減少した.門脈血,肝静脈血および頚動脈血中のVFA濃度は,SL添加飼料区の方が著しく高かった.以上の結果より,SLを育成豚に給与すると大腸内のVFAの産生量と吸収量が増加してVFA代謝量が高まることが,飼料利用性の改善に大きく貢献しているものと推察された.