近赤外スペクトルによるウシ血漿コレステロールの予測
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概要
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近赤外分光法は,生体の非破壊的計測手法の一つであり,新たな分析手法の開発および応用が進められている.動物の血漿の成分と近赤外スペクトルの関連性が見いだされれば,血漿成分の迅速な測定が可能となることから両者の関係について検討した.肉牛および乳牛より190点の血漿を採取し,血漿成分について分析した.血漿成分の分析項目は,総タンパク(TP),アルブミン(Alb),尿素態窒素(UN),グルコース(Glu),中性脂肪(TG),リン脂質(PL),遊離コレステロール(Fcho),総コレステロール(Tcho),無機リン(P),カルシウム(Ca),ナトリウム(Na),カリウム(K),塩素(Cl)とした.次に近赤外分光光度計により,透過光の可視および近赤外スペクトル(400-2500nm)を波長2nm間隔で測定し,スペクトルの一次微分および二次微分を計算した.さらに,原スペクトルと誘導変数を独立変数とし,血漿成分のすべてを目的変数とする変数増減型時重回帰分析を行った.その結果,Tcho, FchoおよびPLについては,重回帰分析の5ステップ以降に,推定式の寄与率0.95以上が得られた.検証の結果から,TchoおよびFchoに関して一次微分および二次微分の7個以上の変数を予測式に取り込むことにより0.97以上の寄与率が得られた.PLでは,検証の後に5個以上の独立変数を予測式に取り込むことにより0.97以上の寄与率が得られた.一方,UN, AlbおよびGluは4個以上の独立変数を取り込むことにより,検証後の寄与率は0.5をわずかに超えたに過ぎなかった.以上の結果から,近赤外スペクトルによる血漿の中のTcho, FchoおよびPLの予測が可能であることが示された.
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