追随反応を利用した初期誘導訓練における黒毛和種子牛の行動
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概要
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ヒトによる牽引に慣らす目的で,黒毛和種子牛13頭を用いて,生後12時間以内に一時的に母牛から離して約20分間の誘導訓練を行った.訓練中の子牛の行動を観察し,5項目の行動所見およびヒトに追随する程度を1〜5のスケールを用いて評価した.6頭(46%)はほぼ完全にヒトに追随し,2頭(15%)はまったく追随しなかった.追随反応と体重の関係および性差は認められなかった.引き続き,ほぼ完全に追随した個体4頭と,追随反応が無かったか弱かった個体4頭を用いて,生後7日まで1日1回同じ方法で誘導訓練を行った.両群とも日数の経過に伴って動きが活発となり,ためらいが無くなっていった.追随群は生後2日以降も明瞭な追随反応を示したが,非追随群は示さなかった.追随群では生後2〜3日に,追随反応の減少,探査行動の増加,歩行速度の低下という特異な変化がみられた.この結果については,新生子牛の学習に関する感受期との関係から考察を加えた.
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