走査型電子顕微鏡像からみた蒸煮•爆砕処理小麦わらのin situ培養における組織構造変化
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概要
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走査型電子顕微鏡を用い,無処理,蒸煮•爆砕処理小麦わらならびにそれらの反芻胃内培養後の微細組織構造を調べ,蒸煮•爆砕処理が小麦わらの反芻胃内消化様相に及ぼす影響を検討した.無処理小麦わらと異なり,蒸煮•爆砕処理小麦わらでは,茎部表面のケイ化した表皮組織が完全に除去されていた.小麦わらの茎端部では,厚膜組織が蒸煮•爆砕処理により崩壊していた.維管束および木部導管もダメージを受けていた.無処理小麦わらでは,培養8時間から基本柔組織が浸食され始めた.この基本柔組織は,培養24時間で内側まで消失したが,それ以降の消化はほとんど認められなかった.蒸煮•爆砕処理小麦わら茎端部では,培養2時間で厚膜組織の大部分が消失していた.24時間後はいくつかの木部導管がばらばらに残留していた.培養48時間では,木部導管を含むほとんどの組織が消失した.蒸煮•爆砕処理小麦わらの横断面像では,培養2時間で,基部柔組織がほとんど消失していた.厚膜組織および維管束などと結合している柔組織の一部も消失した.培養24時間で,維管束もかなり消失し,厚膜組織中に大きな空洞が観察された.培養48時間では,ほとんどの組織が消失した.以上の結果から,蒸煮•爆砕処理では,小麦わらの表面を覆っている不消化分画の除去とともにその組織構造にダメージを与えることで,反芻胃内での細胞壁成分の消化性が改善されると結論した.
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