第一胃刺激用具が濃厚飼料多給ホルスタイン種去勢牛の反芻行動および第一胃内発酵性状に及ぼす影響
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概要
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第一胃刺激用具(RF)の投与が反芻時間や第一胃内発酵性状に及ぼす影響について検討するため,ホルスタイン種去勢牛16頭を用い,繊維性成分が調製された濃厚飼料(細胞壁構成成分含量:乾物中27.5%)多給下において,試験1(8頭)では群飼下で反芻行動を,試験2(8頭)では単飼下で反芻行動と第一胃内発酵性状を調査した.両試験において,1頭当たり3個のRFを第一胃内に投与する処理区(投与区,4頭)および無投与区(対照区,4頭)をそれぞれ設けた.RFの投与は,試験1では12ヵ月齢時に,試験2では8ヵ月齢時にそれぞれ実施した.給与飼料として,試験1は両処理区とも細切乾草0.2kg/頭/日を19ヵ月齢時まで給与した後無給与とし,濃厚飼料を不断給与した.試験2は両処理区とも濃厚飼料のみを給与し,可消化養分総量で日増体量1.0kgを満たす量とした.試験1での行動観察は14ヵ月齢(平均体重513kg),17ヵ月齢(616kg)および20ヵ月齢(696kg)時にそれぞれ実施した.試験2での行動観察と第一胃内発酵性状の調査は18ヵ月齢(平均体重658kg)時に実施した.試験1において,飼料摂取量は処理区間に有意差がなかった.反芻時間/日は各調査時とも投与区が対照区を上回った(P<0.05).試験2において,飼料摂取量は投与区が多く(P<0.05),反芻時間/日は投与区が長かった(P<0.05).摂取乾物1kg当たりの反芻時間は投与区が長かった(P<0.05).総揮発性脂肪酸濃度は午前の飼料給与後6〜12時間の調査時において投与区が高く推移する傾向であった.それに伴い第一胃内pHは投与区が対照区より低い値で推移する傾向であったが,午前の飼料給与前の値には処理区間の差がみられなかった.酢酸/プロピオン酸比は投与区が低く推移した.以上の結果から,本試験に用いた濃厚飼料を多給した飼養条件下において,RFは第一胃粘膜に対して物理的刺激物として作用していることが推察され,反芻時での食塊の吐き戻しを誘発し,1日当たりの反芻時の咀嚼時間を長くする可能性のあることが示唆された.
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