ウシの反芻時咀嚼による飼料片の微細化と繊維質発酵との関連
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概要
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反芻時咀嚼による飼料片の微細化と飼料片繊維質の発酵との関連を検討した,オーチャードグラス主体イネ科乾草(OG)あるいはアルファルファ乾草(ALF)を1日1回給与した食道フィステル形成去勢牛3頭から,飼料給与後9-14時間の反芻時に,吐き戻される食塊(Up食塊),吐き戻し直後に反芻胃へ送り返される食塊(Tail食塊)および咀嚼を受けて嚥下される食塊(Down食塊)を採取した.得られた食塊の重量,乾物含量,粒度分布(LP;>5600, MP; 5600-1180, SP; 1180-300, FP;300-47μm),および粒度別の中性デタージェント繊維(NDF)含量を測定した.さらに各食塊のNDF消失率をめん羊を用いて,インサイチュー法により測定した.反芻サイクル(吐き戻し-咀嚼-嚥下)あたりの大飼料片微細化量および咀嚼回数はOGとALFで同程度であったが(それぞれ1.6vs. 2.0gおよび60.8vs. 63.4回),大飼料片の微細化割合およびSpecific fragility(1反芻サイクルにおける大飼料片微細化量/咀嚼回数/咀嚼直前の食塊中大飼料片乾物量)はOGの方がALFよりも大きい傾向にあった(それぞれ87.5vs. 61.6%および14.8vs. 9.8).両草種とも咀嚼を受けた食塊は,咀嚼を受ける前の食塊と比べて48時間培養によるNDF消失率が有意に高かった(OG; 49.4vs. 46.5%, ALF; 25.2vs.8.1%).以上から反芻時咀嚼を受けることにより飼料片繊維質の発酵は促進されるが,その程度は,草種あるいは微細化の程度の影響を受けることが示唆された.
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