青かびチーズの生化学的研究 : II Penicillium roquefortiのリパーゼの特徴
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概要
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青かびチーズでは,脂肪の変化が特に重要視される.そこで,Penicillium roquefortiのリパーゼ生産性の検討2)に続き,本報では,リパーゼの特徴とチーズの熟成について,実験および考察を行なった.従来,Pen. roquefortiは2種のリパーゼを生産すると予想されていたが,確証はなかった.著者らは,硫安による分画と至適pHの検索によって,酸性リパーゼと中性リパーゼの存在を確かめた.これらは,トリブチリンを基質にしたとき,それぞれpH6.5と7.5に至適点があった.さらにガスクロマトグラフィーによって,この両リパーゼの基質選択性が異なり,バター脂肪に作用したとき,中性リパーゼは酪酸をきわめて選択的に生成するが,酸性リパーゼは,酪酸と同程度に,カプロン酸やカプリン酸を生成することを認めた.また,低温で長く培養すると,酸性リパーゼが多くなるが,高温で培養すると,中性リパーゼのほうが多くなることがわかった.以上の結果から,チーズの正常な熟成条件では,酸性リパーゼの影響が大きく,その結果,カプロン酸やカプリン酸の相対的含量が増すこと,熟成温度が高ければ,中性リパーゼのほうが支配的になること,チーズのpHが高ければ,揮発性脂肪酸の全量は多いけれども,一層酪酸臭が強いチーズになることが推察された.
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