埼玉県における製茶工場の動向
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概要
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昭和41年と48年に埼玉県茶業協会で実施した製茶工場の実態調査資料を用いて,その間の埼玉県における製茶工場の動向について検討した。<BR>1. 調査工場の平均生葉処理量は,41年の16,300kgに対して48年は22,900kgと40%強の伸びを示した。処理量で階層区分すると,41年に比し48年は15,000kg未満の各層の割合が減少し,それ以上の規模は増加した。<BR>2. 処理量の増減傾向の地域間差異を検討すると,入間市では処理量も大きく,増加傾向も全県のそれより大きかった。逆に所沢市は処理量,増加率とも小さかった。他の市町村においてもかなりの地域間差異がみられた。<BR>3. 同一工場について,41年の処理量で階層区分して48年の増減傾向をみると,小規模な階層ほど増加割合が大きい傾向が顕著であった。<BR>4. 41年の経営形態で区分して処理量の増減傾向をみると,自園自製,自園兼買葉形態に増加傾向が強く,買葉兼自園,買葉製造形態は停滞傾向にあった。<BR>5. 前2項の結果から,小規模な自園自製,自園兼買葉工場は買葉を規模拡大の手段に求め,それに従がって経営形態も次第に買葉への依存度を深めていると思われた。<BR>本報告は埼玉県茶業協会より資料の提供をうけ,著者が独自に集計,分析したものであるが,機会を与えられた埼玉県茶業試験場の須沢秀夫前場長,米丸忠栽培部長,および県茶業協会の村松〆雄事務局長に厚く感謝の意を表する。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
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