豚舎汚水の微細粒子の分離とその浄化処理
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概要
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豚舎汚水の経済的な処理を目ざし, 固液分離機を用いて汚水中の微細固形物を分離し, 汚濁負荷量の減量化をはかって浄化処理を行なった.実験は, 豚舎汚水に余剰汚泥を約8: 2の割合で混合し, 円板型分離機により両者一括の汚泥の分離除去を行ない, そのろ液を希釈調整して浸漬ろ床法によって浄化処理する方法とした, その結果, 円板型分離機による両者混合汚水のTS除去率は64.6%, BOD除去率は38.1%であった.この粒度別のTS除去率は1-25μmは35.0%, 25-105μmは85.2%, 105μm以上が98.7%であって, 従来法の0.5mm目幅スクリーンでは分離できなかった105μm以下の微細粒子の多くを分離除去することができた.この微細粒子のなかでBOD<SUB>5</SUB>の大半は25μm以下の物質であり, しかも粒度別のBOD測定による経日的酸素消費率を測定してみると, 5日目に対し28日目の消費率は25μm以下で1.4倍, 46〜105μmで3倍とBOD移行物質の多くが存在していることが示された, 従って, 浄化処理の前段階でこの粒子を効率的に分離できれば汚濁負荷量の減量化が可能になると考えられた.円板型分離機によるろ液を5倍希釈したものと, 0.5mm目スクリーンのろ液を10倍希釈したもののBODは1.790mg/lおよび1.950mg/lで, これをほぼ同一条件で浄化処理した結果, BODは186mg/lおよび329mg/lとなり, 円板型分離機によるろ液の処理性能の高いことがわかった.この結果から, 円板型固液分離機で汚水中の微細固形物を分離する処理工程によって処理施設の容積は半減され, 施設のコンパクト化により経済性等の効果が大幅に高められることが示唆された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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