精揉工程における煎茶の茶葉温度と水分量による自動管理方式
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概要
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1. 茶葉温度測定プローブの設定位置を揉盤底部に取り付けた場合は,茶葉との摩擦が強く検出部が破損しやすいことと,茶温よりむしろ揉盤の加熱温度の測定になりかねないので,茶葉の上面と接触している加圧盤に取り付けた。なお,プローブは小型堅牢であることと同時に,指示おくれの比較的少ない高感度の器材を選定する必要がある。<BR>水分の測定は茶葉との接触頻度の最も高い揉盤の中山から両側2〜3枚目の「カシ木」部分にこれと同型のプローブを固定し,作業の便利さから極板は稜線に対し並列に貼り付け,指示計器は電気抵抗式が良好であった。<BR>2. 茶葉温度および水分は工程初期にバラツキが多く,加圧前と加圧後の測定値に昇降がみられるが,工程の進捗とともにその変動は減少の傾向をたどり,末期には両者とも加圧による影響も少なく,変動の振幅は微少となった。取り出し時における適正な茶葉温度は煎茶の場合56〜57℃付近にあり,玉露のほうがこれよりも多少低温(53〜55℃)で操作されていた。一方,茶葉水分については,10〜13%(WB)の範囲と考えられ,一般に煎茶よりも玉露のほうが幾分多目に,また,みる芽より硬化葉のほうが取り出し時の水分量は少ないようであった。<BR>試作した茶温および水分検出報知器による取り出し時の測定精度は,茶葉温度の場合,若干指示のおくれがみられるので,水分量の検出に主体を置くほうが適切と考えられる。ここで,本装置の実用化の見通しは得られたが,今後さらに多点切り換えボックスなどの活用により測定範囲の拡大を図るなど,普及に移すための改良を考える必要がある。
著者
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