アッサム雑種における新芽の諸形質間の相関
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概要
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アッサム雑種を主体とする紅茶用品種の系統比較試験の材料について,摘採適期における新芽の諸形質間の相関関係について検討した。取り上げた形質は芽数,百芽重,新芽長,新葉数,摘芽長,節間長および節間の太さである。<BR>その結果,新芽の諸形質問の表現型相関係数と遺伝相関係数はかなりよく一致することが認められた。<BR>新芽の諸形質のうち新芽長,摘芽長,節間長の3形質相互間の相関係数がきわめて高く,新芽長で摘芽長や節間長を推定できることを認めた。<BR>百芽重と芽数は大きくはないがマイナスの相関があるように思われ,新芽長と新葉数,百芽重と新芽長,百芽重と節間の太さの間にはそれぞれプラスの相関があるように思われた。<BR>新芽の諸形質の茶期間における相関は新葉数を除けばかなり高く,一番茶期に二,三番茶芽の諸形質を推定することが容易にできる。したがって,新芽の特性を茶期ごとにとらえる必要がなければ,系統比較試験における新芽の調査はかなり省略できると思われる。<BR>摘芽百芽重に対する新芽長,新葉数,摘芽長,節間長,節間の太さの表現型相関係数の径路係数分析の結果は,一番茶では新芽長,節間の太さおよび摘芽長が,二番茶では節間の太さと節間長が百芽重に対し,大きな直接,間接効果を与えることが明らかとなった。<BR>終わりに臨み,有益な助言をいただいた枕崎支場の塘二郎支場長ならびに鳥屋尾忠之技官に対し,ここに厚く感謝の意を表する。