苦土石灰の施用が茶樹のリン酸吸収に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
牧之原洪積台地の"黒ボク"に由来する茶園(やぶきた種)で苦土石灰の施用が茶樹のリン酸吸収に及ぼす影響を調べた。<BR>すなわち,放射性リン酸<SUP>32</SUP>Pで標識した過リン酸石灰を苦土石灰無施用区,苦土石灰100kg/10a,および300kg/10a施用区に1株当たり4.32mCi,P<SUB>2</SUB>O<SUB>5</SUB>として12gを昭和42年5月30日に施用した。<BR>試料は二番茶期(6月21日),三番茶期(7月31日)に新葉を採取し,常法により各試料の放射能強度および全リン酸含量,さらに施肥リン酸の全リン酸含量に対する割合を求めた。また,各区土壌の有効態リン酸含量とリン酸の形態転移についても調べた。<BR>これらの結果を要約するとつぎのとおりである。<BR>苦土石灰100kg/10a施用区が最も収量が多く,苦土石灰無施用区が最も少なかった。<BR>苦土石灰の施用により新葉のリン酸含量は増加した。<BR>新葉に吸収された施肥リン酸含量の全リン酸含量に対する割合は,苦土石灰の施用量の増加に伴って低くなった。<BR>苦土石灰の施用により土壌の有効態リン酸が増加し,苦土石灰300kg施用ではFe型リン酸が多くなり,Al型リン酸が少なくなった。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
関連論文
- 6 静岡県川根地区の茶園土壌調査およびチャ立枯れ発生園の実態(中部支部講演会講演要旨)
- 6-21 開葉に伴なう成葉内窒素化合物の変動について(II)(6.植物の代謝および代謝成分)
- 5-16 永年作物におけるSoil-Plant Relationsの研究(第8報) : 茶樹の品種別、時期別、葉令別Mn濃度(5.植物の無機栄養および養分吸収)
- 9. 茶園における敷わら、深耕、塩基施用の効果(第4報) : 土壌のこう質複合体に及ぼす影響(九州支部講演会講演要旨(その2))
- 17 茶の主要化学成分の近赤外分光法による非破壊迅速定量法 : (その3)全遊離アミノ酸類の定量(中部支部講演会要旨)
- 6-22 茶新葉伸長時における成葉内窒素化合物の変動について(6.植物の代謝および代謝成分)
- 11-35 けいふん多量施用に伴う煎茶の異臭成分について(予報) : 含硫異臭成分(11 環境保全)
- 2-17 茶園土壤中におけるなたね粕および魚粕の分解に伴う無機態窒素とアミノ酸の消長(2.土壤有機および無機成分)
- 茶園土壌の腐植に関する研究(第1報) : 腐植酸のメトオキシル基含量と示差吸光曲線について
- 431 茶園土壌の腐植に関する研究(第2報) : 腐植酸のメトオキシル基含量と示差吸光曲線との関係について(秋季臨時大会講演要旨)