火山灰茶園土壌に関する研究(第2報) : 茶園のうね間断面における土壌理化学性の変異
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概要
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シラス茶園,黒ボク茶園,黒ボク普通畑の3種の土壌を供試して,茶園のうね間断面における土壌理化学性の変化を調べた。<BR>1. シラスの茶園土壌では著しい粘土流脱が認められたが,黒ボクの茶園土壌では認められず,むしろ普通畑との比較においても上層ほど粘土含量が高かった.<BR>2. 茶園土壌の酸性化,塩基溶脱は施肥部位に関連してうね間中央部で激しくおこり,株ぎわでは緩慢に進行する経過がシラス茶園によって示され,究極的には全断面に及ぶことが黒ボク茶園によって示された。<BR>塩基組成について,茶園土壌は普通畑に比べカリに対するマグネシウムの相対含量が著しく低く,茶園における施肥改善の必要性が強く認められた。<BR>3. シラス,黒ボクの両茶園土壌において,表層,特にその中央部付近には腐植の集積が認められ,塩基置換容量の断面分布は粘土,腐植含量の分布とほぼ対応していた。<BR>4. シラス茶園土壌のリン酸吸収係数は,上層部が特異的に高かったが,このことと酸度,活性アルミニウム含量との関係は認められなかった。<BR>5. 普通畑における土壌リン酸の分布は,作土層内ではきわめて均一であったが,シラス,黒ボクの両茶園土壌では全リン酸は表層に多く,特に中央部には多量の無機態リン酸の集積がみられたにもかかわらずII層以下へその含量は急減した。他方,有機態リン酸の相対含量は下層へ漸増する傾向がみられた。なお,リン酸の形態別組成とその断面分布にシラス,黒ボク両土壌のリン酸の固定力,土壌中における可動性の差異が示された。<BR>6. シラスの茶園土壌ではうね間.中央部において活性アルミニウムが下層へ移動集積することが認められたが,黒ボクの茶園土壌ではこのことは明らかでなく,また,普通畑との差異も認められなかった。
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