萎凋に関する研究(その2) : 萎凋中の温度と萎凋速度・品質との関係
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概要
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1.関係湿度60%下で萎凋温度が20℃から45℃の間では萎凋による重量減は直線的に進み,20℃:4.2%/hr,25℃:4.6%hr,30℃:6.9%/hr,35℃:7.4%hr,40℃:10.8%/hrおよび45℃:14.5%/hrの萎凋速度を示した。<BR>萎凋速度が速くなると,水分の多い茎の部分は,他の部位に比較して萎凋しにくくなった。<BR>2.茶葉温度は萎凋温度の影響を受け,萎凋温度と茶葉温度はそれぞれ20℃:19,3℃,25℃:22,2℃,30℃:25.9℃,35℃:30.5℃,40℃:34.8℃および45℃:40.0℃を示した。なお茶葉温が40℃を越すと,萎凋葉の一部にかっ変現象が認められるようになった。<BR>3.萎凋温度20℃から45℃の範囲内では,ポリフェ・ノールオキシダーぜ力価に,温度による影響は認められなかった。<BR>4.萎凋葉のタンニンは,温度の高い区ほど生葉時に比較して減少していた。発酵葉では20℃区のタンニン量は他の温度区に比較して多く,温度が高い45℃区のタンニン量は少なくなっていた。<BR>茶の水色は20℃,25℃区がうすく,45℃区は量も濃厚で黒みが強く感じられた。<BR>5.茶の品質は香味,水色とも平均して25℃から35℃区のものが良好であって,20℃区は発酵が十分に進まず水色がうすく青臭味を感じ,45℃区は芳香,うま味に乏しく,水色も黒み参強くて発酵の過度に進む傾向が認められた。<BR>以上の結果から萎凋に適する温度としては,25℃から35℃の範囲があげられた。
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