森林大気中イソプレンと関連物質のオンサイト多成分分析
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概要
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本研究では,簡易でかつ時間分解能の比較的高いイソプレンの分析装置を開発し,森林大気のオンサイト分析に応用した.測定では4分間の大気サンプリングに続いて,加熱脱着によって化学発光セルに導入した.本装置によりppbvレベルのイソプレンを10分ごとに測定することが可能になり,検出限界は0.15 ppbvであった.植物をチャンバー内に設置したラボ実験では,チャンバー内イソプレン濃度は光照射とともに増大し消灯とともに減少した.この結果は加熱脱着−ガスクロマトグラフ−質量分析による結果とよい一致を示した.森林内測定においては有意な日内変化がみられ,日中イソプレン濃度が増大し夜間はほとんど見られなかった.これに対し同じ植物起源のα-ピネンは夜間濃度のほうが高く,α-ピネン放出の常時性と日中の高い分解速度に起因していると考えられる.このほかホルムアルデヒド,オゾン,窒素酸化物,有機・無機酸についても測定を行い,日内変化の追跡や季節変動の考察を行った.また,発生・消失のモデル構築を行い,日内変動よりイソプレンやα-ピネンの森林内発生のシミュレーションを行った.さらに実大気におけるイソプレンの発生とオゾン増幅の関係について考察を行った.
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