産卵鶏のカルシウム代謝に関する研究 : II. 飼料Caおよび骨Caの卵殼蓄積割合の変化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
16羽の産卵鶏(産卵率85%)を用いて20日間の試験を行ない,前半の10日間(第1期),午前10時(A群)または午後4時(B群)にCa45を連続経口投与した.後半の10日間(第2期)はCa45を投与しない.5層に分けた卵殼および4時間々隔で採取した排泄物のCa45を測定し,飼料Caと骨Caの卵殼蓄積割合の変動と産卵時刻および飼料摂取時刻との関係について検討した.一般に卵殼Ca45含量は外層になるに従つて減少し,またCa45投与後卵殼形成が始まるまでの時間が長くなると,全卵殻および各層のCa45含量は低くなつた.第2期の卵殼ではいずれの層もほぼ同じCa45含量を示し,骨Ca45が一定の割合で卵殻に蓄積されることを示した.第1期最終日と第2期第1日の卵殼Ca45含量を比較した結果,第1期最終日の卵殼の最外層Ca45含量の内,A群では約80%,B群では約40%が長期間骨に蓄えられていたCa45によつて占められていることが明らかにされた.卵殼および排泄物のCa45含量の成績から,卵殼Caは次の3つのCa源によつて構成されるものと考えられる.1) "飼料Ca"は摂取後約8時間内に卵殼に直接蓄積される.2) "一時的骨Ca"は全卵殻Caから"飼料Ca"に由来するものを除いた残りの一部を占めるもので,飼料摂取後8ないし24時間に骨を経て間接的に蓄積される.3) いわゆる"骨Ca"は飼料摂取後24時間以上経過して,次またはその後の卵殼に蓄積される.前二者の卵殼Ca源は,Ca摂取量,飼料の摂取状態および卵殻形成時のずれによつて影響されるCa代謝の変動に対して,相互平衡を保ちながら変動するものと考えられる.第3のCa源はCaバランスに対して緩衝的な役割をもつこともあるが,全般にほぼ一定の割合で卵殻形成に供給されるであろう.
論文 | ランダム
- Effect of plasmidic DNA-intercalating acridine orange on the production of barbatolic acid by the lichen Himantormia lugubris(Hue)Lamb
- Ti および Ti 合金の溶接(非鉄材料の溶接)
- 人づくりが必須要件 (挑戦するJA)
- 新事業方式へ向かっての挑戦 (特集 新事業年度への挑戦)
- 動き出した介護保険(9)高齢者福祉事業はJAの大きな柱