ニワトリの胞腺におけるT+リンパ球,B+リンパ球およびsIg+リンパ球の分布
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概要
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ニワトリの胸腺における胸腺抗原(T抗原)とファブリシウス嚢抗原(B抗原)並びに表面イムノグロブリン(sIg)をになうリンパ球の陽性率を求め,胸腺の成長に伴うこれらリンパ球の推移を調べた.さらに,リンパ球に結合した標識FITCの濃度から,単位リンパ球当りのT抗原量,B抗原量およびsIg量の測定を試み,成長に伴う経過を調べた.胸腺中のT抗原陽性リンパ球(T+リンパ球)の割合は,孵化直後は67.6%であったが,1週令以降7週令まで80%前後の値で推移した.8週令で一時的に軽度の低下を示したが,10週令以降,再び80%の水準に復した.胸腺中のTリンパ球の比率は,細胞性免疫機能の程度と関連すると考えられた.B抗原陽性リンパ球(B+リンパ球)とsIg陽性ジンパ球(SIg+リンパ球)の割合は,0週令から13週令まで,10から20%の両者ほぼ同じ値で推移した.結合標識FITC量で示されるT抗原量は,8週令以降減少する傾向が認められたB.抗原量は,脾臓Bリンパ球のそれと同レベルであり,胸腺に存在するB+リンパ球は末梢性由来と推察された.sIg+リンパ球についてもB+リンパ球と同様,末梢由来と考えられるが,そのsIg量は脾臓Bリンパ球のsIg量に対して有意に低く,胸腺中のsIg+リンパ球は,末梢性由来のBリンパ球だけに起因するものではないと考えられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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